玄関が狭い。
引っ越してきた日から分かってたことだけど、改めて言う。狭い。靴を脱ぐスペースと傘の置き場を両立させようとすると、どちらかが絶対に割を食う。雨の日なんて特にしんどくて、濡れた傘をドアに立て掛けたらすぐ倒れるし、靴箱の横に転がしとくと翌朝しっかり踏む。毎回おんなじパターンで、我ながらちょっと笑えてくる。
セリアでこれを買ったのは、そういう経緯だ。用事があって近所の店に寄って、たまたま目に入って、「110円なら捨てることになっても別にいいか」くらいのノリでカゴに入れた。深く考えてない。
半年使った。結論だけ先に言うと、買って正解だった。ただ全員に勧めるかというと、それは違う。
買う前に何を見て回ったか

傘立てをちゃんと探し始めたのは、もう半年以上前になる。
山崎実業のtowerシリーズはずっと頭の片隅にあった。マグネット式でドアに貼るだけ、床に何も置かなくていい。デザインも無駄がなくて悪くない。値段は2,000円ちょっと。一度は買う気になって、結局やめた。しばらくしてまた見て、またやめた。傘を立てるためだけの道具に2,000円、というのがどうにも引っかかって踏み切れなかった。
ニトリも一応見た。無印もなんとなく眺めた。でもどれも床置きで、うちの玄関に床置きのものを増やした瞬間どうなるか、容易に想像がついた。ルンバが引っかかる、掃除機をかけるたびにどかす、絶対に面倒になる。
結局何も買わないまま、雨の日は傘を靴箱に立て掛けてしのいでた。掛けてその場をしのいでた。倒れるたびに拾って、また立て掛けて。我ながら学習しない。
買った日

近所のセリアに洗剤と歯ブラシを買いに行ったついでだった。
玄関小物のコーナーを通りかかったら、黒と白の2色で同じパッケージが並んでた。手に取ってみると、上下2つのパーツに分かれてる。上がリング状、下が小さい受け皿。どちらの裏にもマグネット。パッケージ裏を30秒読んで、仕組みが分かった。
正直、手に取った瞬間の感想は「軽いな」だった。プラスチックの質感は、悪く言えばいかにも100均、良く言えばシンプル。迷う要素もないので黒を一個カゴに入れてレジに向かった。会計は110円。
貼ってみた
帰宅してすぐ玄関ドアに取り付けた。
上のリングを目線より少し下に、下の受け皿を傘の長さに合わせて下の方に。磁石でペタッと押さえるだけ。工具もネジも不要。3分かからなかった。
65cmのジャンプ傘を立ててみる。上のリングに通して、下の受け皿に石突きを乗せる。
傘が浮いた。床に何も触れていない。
これだけのことなんだけど、玄関の見た目が変わった。床に物がない状態が、こんなに精神的に楽なのかと思った。翌朝掃除機をかけた時に改めて気づいた。傘立てをどかす、という動作がなくなってた。毎日のことだから、なくなって初めてあの手間がどれだけ地味にストレスだったか分かった。

3日目に落ちた
雨が強い日の夜。帰宅して、ずぶ濡れの傘を勢いよく差し込んだら、下のパーツが「ズルッ」と落ちた。
5センチくらいズレて、傘が斜めに傾いた。
あ、やっぱりそういうとこあるよな、と思った。嫌になったわけじゃなく、「まあ110円だし」という感覚。パーツの裏を確認すると、マグネットは全面じゃなくて小さい短冊状のが数か所に貼ってあるだけだった。接地面積が少ないから、重さと勢いが重なるとズレる。うちのドアがマットな質感でザラついてるのも良くなかったと思う。
二つ対策を取った。
一つ目は位置の調整。下のパーツを、ドアの郵便受けの金属部分のすぐ上に置いた。磁力だけで支えるんじゃなく、出っ張りに少し引っかかる形にする。二つ目は、パーツ裏のマグネット部分に滑り止めシートを小さく切って挟んだ。滑り止めシート自体も100均で買った。
この二つを合わせてからは、半年間一度もズレていない。
ただ、「工夫しないと普通に機能しない」という事実は正直に書いておく。買ってすぐそのまま使えるかというと、環境によってはそうじゃない。
折りたたみ傘の話

これは買う前に全く想定してなかったメリットだった。
折りたたみ傘の置き場所に、ずっと困ってた。普通の傘立てに入れると底に沈んで取り出しにくい。鞄の中に入れっぱなしにすると濡れたまま放置になる。靴箱の上に置くと毎回「あとで片付けよう」と思って結局そのままになる。
セリアのこれは、上下のパーツの距離を自分で変えられる。長傘なら50〜60センチ、折りたたみ傘なら上を下げて20センチくらい。それだけで両方に対応できる。
気に入ったのでもう1セット買い足した。今はドアに2セット並んでて、上が長傘、下が折りたたみ傘の定位置になってる。2セットで220円。この一点だけで十分元を取ったと思ってる。
半年後の状態

使い始めてから一度も壊れていないし、マグネットが弱くなった感じもない。
汚れは、受け皿に雨水と埃が混ざってヘドロみたいになる。2ヶ月に一回くらい、ドアから外して洗面台で洗ってる。受け皿が小さいからスポンジで一拭きして終わり。全部で2分かからない。
以前使ってた床置きの筒型傘立ては、内側を洗うのが面倒で1年近く放置してた。見て見ぬふりしてた。それに比べると、メンテナンスの楽さが段違いだ。
パーツ自体は今も買った時と変わらない状態で動いてる。
デザインについて一言
ロゴが入っていない。セリアの文字も、どこにもない。
ただの黒いプラスチックの枠。玄関ドアに貼ると、知らない人が見たら「なんかついてる」くらいにしか見えない。友人が来た時に気づいて「それ何?」と聞いてきた。セリアだと答えたら「え」という顔をしてた。
近くで見れば素材の安っぽさは分かる。でも普段の生活の中で傘を出し入れしてる距離感で見ると、そこまで気にならない。少なくとも私は気になってない。
向いてる人と向いてない人
正直に書く。
傘が5本以上ある家庭には向かない。何セットも並べると、ドアがごちゃごちゃする。インテリアに本気でこだわってる人には、このプラスチックの質感は無理だと思う。重い傘を毎日乱暴に扱う人には、磁力が物足りないかもしれない。
逆に、玄関の床に何も置きたくない人。掃除のハードルを下げたい人。折りたたみ傘の定位置を作りたい人。そういう状況なら、110円でここまで機能する道具はなかなかない。
私は一人暮らしで傘が2本、玄関は狭い。この条件に対して、これは正解だった。
100円ショップの傘立てグッズのコードは共通の代替品をAmazonと楽天で探す
マグネット式では対応しきれない本数や環境もある。そういう場合に検討できる、床置きタイプの代替品を3つまとめた。
比較表
| 製品名 | 素材 | 容量 | 水受け |
|---|---|---|---|
| サニーポイント 傘立て スリム | スチール製 | 18本 | 取り外し可能 |
| KAWAJUN カサスタンド18 LCA001 | 樹脂製 | 18本 | 記載なし |
| 山善 UMBS-L(BK) | スチール製 | 15マス | 取り外し可能 |
サニーポイント 傘立て スリム 水受け外し可能 スチール製 おしゃれ 業務用 傘入れ 大容量 安定 ブラック (18本用)
スチール製で業務用を想定した設計のため、家族が多い玄関や、来客が頻繁にある場所に置かれることが多い。18本対応の大容量ながらスリムな形状で、壁際に沿わせて設置しやすい。水受けは取り外して丸洗いできる。
KAWAJUN (カワジュン) 傘立て 折りたたみ式 業務用 [18本]樹脂製 ( グレー/軽量/日本製/高耐久 ) カサスタンド18 LCA001
使わない時は折りたたんで収納できる点が、他の2つにはない特徴だ。樹脂製で軽量、日本製の高耐久仕様。季節によって傘の出番が大きく変わる場合や、収納スペースに余裕がない場合に向いている。
山善(YAMAZEN) 傘立て 幅45×奥行23.5×高さ51.5cm スリム 15マス サビにくい 水受け取り外し可能 組立品 ブラック UMBS-L(BK)
15マスのグリッド構造で、傘を一本ずつ仕切りに立てる形式。それぞれの傘が倒れにくく、長傘と折りたたみ傘を混在させて管理するのにも使いやすい。サビにくい加工が施されており、湿気の多い玄関でも長く使える。
一個だけ気になること
急いでいる朝に傘を引き抜くと、上のリングが傘のボタン部分に引っかかって一緒に外れることがある。
リングを拾ってドアに貼り直す、30秒の作業。大したことじゃないんだけど、毎朝続くと地味に積み重なる。引き抜く時に少し斜めにすると引っかかりにくいのは、使いながら自然に覚えた。
これだけが半年使って残った「うーん」だ。
それ以外は、110円にしては十分すぎるくらい働いてくれてる。少なくとも私の玄関では、これで足りた。