引き出しの奥に何が入っているかわからなくなったとき、人はどうするんだろう。自分の場合は、見て見ぬふりを3ヶ月くらい続けてから、ある日突然限界を迎えた。
去年の秋、ダイソーでスライド収納を買った。結論を先に言うと、「使えるものもあるし、そうじゃないものもある」。ざっくりしすぎかもしれないけど、半年使ってみた感想は本当にそれに尽きる。
きっかけは「菜箸がどこにいるかわからない」問題

うちのキッチン、引き出しの横幅だけやたら広い。たぶん前の住人が何か大きなものを入れていたんだと思う。仕切りが一切ない空間に、菜箸、ピーラー、計量スプーン、あとなぜかボールペンが2本転がっていた。
開けるたびに全部がガサッと動く。目当てのものを探すのに毎回10秒かかる。10秒って小さいようで、毎日のことになると地味にストレスが積み重なる。
ある日ダイソーに寄ったとき、収納グッズのコーナーで「引き出しに合わせて伸縮」みたいな説明書きを見つけた。そこで初めてスライド収納というものを認識した。インターネットで調べてから行ったわけじゃなく、完全に店内で遭遇した感じ。その場で2個カゴに入れた。
実際に買ったもの、ぜんぶダイソー

近所のダイソーは3フロアある店舗で、収納コーナーが比較的充実している。4回に分けて合計4個買った。
伸縮トレータイプ 110円
最初に買ったやつ。プラスチックのトレーで、両端を引っ張ると横に伸びる。縮めると17〜18センチくらい、伸ばすと25センチ前後になった気がする。深さは5センチもないくらい。
菜箸と長めのスプーン類を入れるのに使い始めた。最初の1〜2週間は正直かなり快適だった。引き出しの幅にぴたっと合わせられるから、開けてもずれない。それだけで毎日のプチストレスが消えた。
ただ、1ヶ月を過ぎたあたりからスライド部分の動きが鈍くなってきた。細かい食べかすや水気がレールの溝に入り込んだらしい。洗おうとしたら、レールの構造上どうしても水が残りやすくて乾きにくい。キッチンで使うには清潔を保つのがじわじわめんどくさくなってくる。
今も一応使ってるけど、引っかかりを感じながら使っている状態。引退一歩手前。
仕切り板が動くボックスタイプ 110円

これが一番気に入った。
箱型のケースに、薄い仕切り板が何枚か入っていて、スライドさせて位置を変えられる。シンク下の浅い引き出しに入れて、計量スプーン・小さいゴムベラ・栓抜きを整理するのに使い始めた。
最初の1週間は仕切りをあちこち動かしながら「あーでもないこーでもない」をやっていた。計量スプーン、意外と縦に並べると取り出しにくいとか、栓抜きは立てたほうがいいとか。試行錯誤のすえ、自分なりの配置に落ち着いた。
半年経った今も、その配置のまま使っている。一度も「不便だな」と思っていない。洗うときも仕切りがぜんぶ外れるから、さっと洗えて乾かしやすい。これはキッチンで使う上で想像以上に大事なポイントだった。
引き出せるラックタイプ 220円

これだけ220円した。洗面台の下に棚を作りたくて買ってみた。本体の底にレールがついていて、棚から手前に引き出せる仕組み。
結果、洗面台の下では使えなかった。棚の奥行きが深すぎて、引き出したときにぐらつく。ものを乗せた状態で引っ張ると前のめりになる感じがして、怖い。重いストックを置きたかったから余計に合わなかった。
今はリビングのテレビ台に移して、リモコンと薄いコード類を置くだけの用途に使っている。軽いものなら問題ない。ただ220円の満足感はないかな、というのが正直なところ。
使ってみてわかった「合う場所」と「合わない場所」

引き出しのサイズが中途半端なときに強い
うちのキッチンの引き出しは横幅25センチで、ホームセンターや雑貨屋に売っているケースがことごとく入らないか、スカスカになるかのどちらかだった。スライドで幅を調整できるタイプはこういう「規格外の引き出し」にかなり有効。当てはまる人には刺さると思う。
水回りのヘビーユースには向かない
毎日触れて、水気が入る可能性がある場所には、スライド部分がどうしても劣化しやすい。レールが詰まる、動きが鈍くなる、洗いにくい。この3点が合わさってくると、使い続けるのがじわじわ億劫になる。自分のトレータイプがまさにそれ。
重いものを乗せる場所には向かない
ラックタイプで実感したけど、重みに対してプラスチックのレールはそこまで強くない。軽いものを整理する用途と割り切るのが正解だと思う。
サイズ確認だけは絶対先にやれという話

一度、測らずに感覚で買ったら引き出しに合わなかった。最大に伸ばしても少し足りない。
結局その1個は別の引き出しで使っているけど、目的の場所には入れられなかった。当たり前の話ではあるんだけど、「だいたいこのくらい」という感覚は100均相手でも通用しない。内寸をメモして行くのが一番確実。
100均に求めていいことと、求めすぎなこと
スライドの動きはホームセンターのものと比べると最初からそんなにスムーズじゃない。プラスチックの質感もそれなりにチープで、使っているうちに小さな傷がつく。
でもそれを知った上で使うなら、コスパは悪くない。同じような仕切り付きケースをニトリや無印で買おうとすると、1個で500円〜1000円くらいする。110円で「試してみる」ができるのは、収納を見直している最中の人間にとってかなりありがたい。
自分みたいに「何が向いているかまだわかっていない」段階では、失敗のコストが安いのは純粋に助かる。4個買って2個が今も活躍していれば、個人的には十分だった。
店は大きいところに行ったほうがいい

同じダイソーでも、小さい店舗はスライド収納の種類が少ない。近所の小さい店で見つからなかったものが、少し離れた大型店には普通に並んでいた経験がある。
それに、スライド収納は手に取って動かしてみないと感触がわからない。オンラインで買うのは自分には向いていなかった。スライドの動きって文章じゃ伝わらないし、実物を引っ張ってみて初めて「あ、これは微妙だな」とかわかる。
100円ショップのスライド収納グッズの代替品をAmazonと楽天で探す

100均のスライド収納が気に入ったけど耐久性や素材面でもう少しグレードアップしたい、という場合に参考になりそうな製品をまとめた。いずれもAmazonまたは楽天で取り扱いがある。
比較表
| 製品名 | タイプ | 主な用途 |
|---|---|---|
| 【スライド式×奥まで見える】キッチン下収納 | スライド式ラック | シンク下・引き出し収納 |
| yazi 家電下引き出し 2段 レンジ下収納台 | 2段引き出し台 | レンジ・トースター下 |
| シンク下 収納 スチール シンク下ラック スライド式 2段 | スチール製2段ラック | シンク下・キッチンストッカー |
【スライド式×奥まで見える】キッチン下収納 [簡単組立でパッと設置]シンク下収納ラック 幅24.5×高さ10cm
シンク下や引き出しの奥行きを無駄にしたくないときに向いている。スライド式で奥まで引き出せる構造になっているため、シンク下に重ねて置きがちな調味料やストック類を手前から確認しやすい。幅24.5cmというサイズは、規格が合わずに困りやすい引き出しにも対応しやすい。
yazi 家電下引き出し 2段 レンジ下収納台 引き出し スライドテーブル おしゃれ トースター下 収納
レンジやトースターの下に置いて、デッドスペースを収納に変えるタイプ。2段構造で引き出しがそれぞれ独立しているから、上段にラップやアルミホイル、下段に乾物、といった分け方がしやすい。キッチン家電の足元を整理したい場合の選択肢になる。
シンク下 収納 スチール シンク下ラック スライド式 2段 引き出し キッチンストッカー
素材がスチールなので、プラスチック製と比べて重いものを乗せても安定しやすい。2段のスライド式で、洗剤のストックや調理器具など、重さや形がまちまちなものをまとめて収納するのに対応している。シンク下のスペースをしっかり使い切りたい場合に候補に入れやすい製品。
半年後の正直な気持ち

仕切りボックスタイプは今も毎日使っていて、不満はない。これは買ってよかった。
伸縮トレータイプは使えてはいるけど、キッチンで長く使うものとしては選び直したい気持ちがある。次に買うなら、同じ用途でも洗いやすい構造のものを少し値段が上がっても選ぶと思う。
100均のスライド収納で一番得たものは、「自分が収納に何を求めているか」がわかったことかもしれない。洗いやすさ、調整のしやすさ、耐荷重。そこに優先順位があるとわかったのは、110円の失敗込みで得た情報だった。
最初の1個として試してみる価値はある。ただキッチンの水回りで毎日使うものには、自分の経験上あまり向いていないというのが本音。